裁判員制度の模擬裁判。
法律を学び、何度か裁判を傍聴したことのある私は、裁判員制度に関心を持っている。半年程前になるが、模擬裁判に裁判員として参加した。
父親が我が子に怪我を負わせた事例だった。過失か故意か。刑は何年か。意見は様々だった。
しかし、事実は分からない。
勿論、検察等捜査機関や裁判官によって、専門的な検証が行われ、それによって見えてくる事実もある。被告人の行動や態度、発言、反省等によって、心意まで分かるかもしれない。
しかし、事実は当事者しか知ることのできないものだ。
数年前、「それでもボクはやってない」という映画を観た。痴漢の冤罪なのか。事実、行為はあったのか。映画を観ている立場では、やっていないと思うだろう。しかし、本当にやっていないのか。
裁判員制度は、法律の素人が裁判官と共に裁判を進めてゆくものである。
裁判官のように公平な対場で物事をみることができるか分からない素人であり、自身の意見を持たずに他の裁判員や裁判官の意見に同意してしまうか分からない素人である。
果たしてどうなるのであろうか。見守って行きたいものである。